いまさらですが、総選挙

選挙ですねえ。

この視点が一般的なのかどうかわかりませんが、この総選挙のポイントは共産党です。以下、ちゃんと調べてないことばればれですが。
(追記、関連 Bing

前回の総選挙のとき、各党候補への票分布を分析した結果がどっかの新聞社系サイトにあったと思うのですが、それの結論は「自民党の相対優位を支えているのは共産党への死に票だ」という話でした。共産党はご存知のとおり全国のほとんどの選挙で独自候補を立てて戦うわけですが、前回の衆院総選挙では小選挙区からの立候補はなんと全敗でした。

当然これらの共産党候補への票は全て死票になったわけですが、これが結果的に与党を利しているということは自明だと思います。前述のサイトの分析では、仮に共産党への票の7割程度でも民主党に渡っていれば(残りは棄権として)、僅差で敗れた民主党候補が当選していたはずの選挙区がかなりの数にのぼり、最終的には民主党比較第一党になっていた可能性が高い、という結論になっていました。

翻って今回の総選挙ですが、どたばたで突然選挙戦に突入したおかげで共産党は前回の選挙のときほど立候補者を準備できていません。今回ばかりは全選挙区に立候補というのは無理だと思われます。そうすると、潜在的な共産党支持票のそれなりの割合が民主党に渡る可能性が高いわけで、民主党にとっては千載一遇のチャンスというわけです。

民主党が過去あれだけ「政権交代可能な野党」という題目の上で現実的な野党戦術をとってきたのにもかかわらず、今回の郵政問題に関しては対案も出さず煮え切らない態度をとり続けたの理由として、もちろん党内の調整が困難だという側面もあるでしょう。しかし、今回のような突発的な解散総選挙を引き出すことによって得られる選挙戦上のメリットは、対案を出せなかったというイメージ的なデメリットに勝る、という判断がどこかであったはずです(下手に与党に協調的な態度を取っていれば、現状のような法案否決は不可能であった可能性が高い)。

中長期的にどちらが正しい判断だったのか、もちろん選挙の結果を待たないとわかりませんが、それだけに結果が注目されます。個人的には、共産党候補の不在は自民党にとってはかなり致命的で、民主党が結構勝つんでないかと思います。過去の民主党の伸長も、自民党を喰ったわけではなく社会党共産党への票を吸収したことが主な要因だったわけで、今回仮に勝ったとしてもそれは自民党の票を奪えたからではなく野党の一本化という流れの延長に過ぎないと考えられます。民主党、そして日本の二大政党制にとって本当の戦いは、次の次の総選挙から始まるはずです。