平成17年度 出生に関する統計の概況

書きかけエントリ(たぶんずっと)。

厚生労働省:平成17年度 出生に関する統計の概況

この資料、いわゆる「できちゃった結婚」の統計をえらくがんばって解析しているところがおもしろい。

それがこの記事などに取り上げられてて、
Bing

ま、「ゴムつけろ」とかベタな反応が多いんですかね。実際としては子供ができることくらいしか結婚のきっかけにならないってことだと思うんだけれど。

読売新聞の記事ではちゃんと解説されてるな。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060303it13.htm

 阿藤誠・早大特任教授(人口学)は「妊娠がなければ結婚しない傾向が、25歳未満の女性で強まっていることをうかがわせる。少子化の裏返しの現象と言える」と分析している。

つまりゴム付けてる限りは結婚しないんだよ、みんな。

さて、元の厚生労働省の資料からいくつか数字を引くと…

昭和28年生まれでは、第1子を生んでいる母のうち、86.7%が第2子を生んでおり、第2子を生んでいる母のうち、36.0%が第3子を生んでいるが、昭和39年生まれでは、それぞれ79.7%、33.6%に減少している。

どう解釈するか微妙なところだけれど、この間の出生率減少に比べればたいして減っていないと言ってよいのでは。

40歳において子を生んでいない女子の割合をみると、昭和28年生まれでは10.2%であったが、世代を追うごとに増加傾向にあり、昭和39年生まれでは22.3%となっている。

こちらは明らかな増加。つまり出生率の低下は子供を産まない人が増えたことが主因。

30-34歳の女性の非婚率は、昭和60年の 15.6% から平成16年の 31.9% まで倍近い増加で、だいたい「40歳において子を生んでいない女子の割合」の増加と符合している。一方、出生児にみる嫡出子の割合は昭和50年から平成16年で 0.8% から 2.0% と、大きさとしてはあまり変わっていない。

ほんとは年次をそろえて比較しないといけないんだけれど、上の傾向をみるとやはり出産期時点での「非婚化」によって子供を産まない人が増えたことが少子化の主因といえるだろう。

加えて、晩産化によってカップルあたりの出生数が低下していること、結婚しても子供を産まないカップルの増加(これは数字がないからちゃんと計算してみないとほんとかどうかわからん)がマイナーな要因ということになる。

というわけで、もし出生率を回復させたいなら以下のどっちかの政策になる。

  • 独身者が結婚するように仕向ける
  • 結婚の有無に関わらず子供を産めるようにする

いずれにしても政策としては経済的環境の整備をやってくことになるのでしょう。

後者を許容するような社会心理を作ってくほうがむしろ簡単な気がするけどね。ともかく今の日本は「結婚=家庭=子供=責任=不自由」の結びつきが強すぎる。結婚も子供ももっと気楽なもんにならないと出生率は回復しないでしょう。