今月のアフタヌーン

げんしけん

笹原・荻上の恋愛話が終わった後のインタリュード的エピソード。

こちらでも言及されているけど、
http://d.hatena.ne.jp/a-park/20060327/p2

前回まである意味「おたくの理想(妄想)」的な恋愛エピソードを引っ張っておきながら、その後にこういう「おたくの現実」的な斑目エピソードでバランス戻すっていう、木尾士目らしい展開。でもどちらも見事なディテールで描かれるから、どっちもリアル。

げんしけんってのは始まったときから笹原の「成長」がテーマの一つな訳で、成長の中身は変わっていくけれど、外見的にはぶれの少ない斑目との対比はちゃんとやっておかないとってところか。結局笹原と斑目の差異は個人のありかたの違い(コミケの一消費者の立場から踏み出すかどうか、など)として描かれているので、そういう意味でこの物語は古典的(近代的)な構成に沿ってるだよね。

残りは咲ちゃんコスプレのエピソードを交えつつそのまま最終回ってかんじかなぁ。でもこの物語を成立させている特異点であるコーサカについてなんか描いて欲しいなあ。もちろん描かない方がすんなりまとまると思うんだけれど。

柱のあおり文句(大抵編集者が書いてる)の「まだだ! まだ終わらんよ!! …そんな決定権がお前にあるのか!!」ってのは意味深だな。まさかアフタヌーンで作者の意向に反して引っ張らせるなんてありえ無いと思うけれど。

その他

神戸在住、が最終回。増ページだけれどエピローグらしく淡々と各人の紹介。最近になってからしか読んでなかったんだけれど、すばらしい漫画でした。3ヶ月前に最終回が予告されてから、単行本を集め始めてしまったくらい。といっても、これはあんまり急いで一気に読んでしまいたくない漫画だから三巻までだけれど。

最後、桂さんの髪が伸びてる絵が感慨深い。ちいさなところだけど彼女が物語の中でだいぶ「大人びた」ことがいうことが実感できる。最初の頃は「大人びた趣味だけれど中身は子供っぽい」大学生として描かれているのと比べてね。

大学生の4年間というのは、中高生とは違って自意識的にはすでに確立されている(と自分は信じている)ので、その間に大きな変化はなかったと考えてしまいがち。でも実際の変化はかなり大きい。ボーイッシュな面影を残していた女性も大学生の間に大人の女性(の一歩手前)になってしまうのだ。身近にそういう例を知っているだけに、なんかちょっとツボにきてしまった。

すずめすずなり も次回最終回。

ヒストリエ はしばらく休載だっけ。

おおきく振りかぶって も漫画うまいよなあ。男臭い男子球児とかわいらしい女子チア(の志望者)を同時に描けるってなかなかすごいと思う。

そういえばもはや恒例となってしまった今月のおまけは、「おおふり」の無駄に大きいフィギュアじゃなくて蟲師のDVDでした。まだみてないけどちょっと嬉しい。来月は猫缶バッチ。それはさらに嬉しい。