浦沢直樹

「プロフェッショナル 仕事の流儀」に浦沢直樹が出てて、それなりに興味深かった。

「Happy!」はやっぱり編集部からの依頼で始まった連載で彼自身は必ずしも乗り気ではなかったとか、「20世紀少年」のクライマックス寸前での連載中断(肩の脱臼!)と再開の話とか、長崎尚志との共同での話の作り方など。

でもなぜかというかやはりというか「Masterキートン」の話は一つも出てこず。
(参考: http://number29.ameblo.jp/entry-315dc35e04b85d409d0bfc2c678202d0.html
今でも彼の最高傑作はMasterキートンだと思ってる私としては、その辺は非常にもどかしい。

彼は、映画的な漫画(ネーム)の構成力と人物を中心とした画力が素晴らしいのであって、ストーリーメーカーとしてはサスペンス的手法に依存し過ぎていて、あんまり上手いとは思えない。Monster なんてあまりに冗長すぎて単行本一気に読まないとわけわからんし。まあそれが受けてるんだろうけど、やり過ぎだよね。Masterキートンは数話完結型だったのでその辺の特徴が弱点にならずに上手くはまってたんだね、いまから考えると。

番組では20世紀少年で読者の興味ががあまりにも「謎解き」に集中していて、浦沢の描きたいこととずれている、というような再開へ向けての裏話が披露されていたけれど、あのストーリー構成じゃ謎解きがメインになっちゃうのも無理ないよなあ、というか自業自得では、という感想。

まあそれはともかく、もう一回「壮大なスケールの物語」ではなくもっとコンパクトな話が是非読みたい。そっちの方が絶対面白いから。