Gamecube neXt

たまたまこの記事(Nintendo to Microsoft: this town ain't big enough fer the two of us | Joystiq)を見つけて読んでいて思ったことがあるんだけれど、ちょっと検索してみたところでは同じことを考えている人は見つからなかった。だから、あとで恥かくのを覚悟の上で思い切って、でもなんとなくここに記してみる。


上の記事は、同じレドモンドに居を構えるマイクロソフト任天堂 (NOA) が、それぞれの新しい社屋の建設を巡って行政で設定されている開発予定面積のキャパシティーの取り合いを演じた(が円満に解決)って話だ。正直な話、これを見るまでNOAがレドモンドにあるなんて知らなかった。日本企業の現地法人はみんなシリコンバレーにあるんじゃないかっていう思い込み。


そこで本題だが、次世代ゲーム機の開発でマイクロソフト任天堂が水面下で提携しているって可能性は無いんだろうか。


もっともラディカルなケースでは、Xenon (Xbox Next) と Revolution (GC Next) は実は同じマシンであるとか。妄想の度合いは大して変わらないが、プラットフォームは同じで両者の違いは標準装備するモジュールの組み合わせ程度の違いに過ぎないというケースも考えられる。ハードウェアが同一という妄想は極端過ぎるにしても、ゲーム開発環境について両者が提携していてAPIなりツールキットにある程度の共通性があるっていうシナリオはそれなりにありそうに思える。


任天堂はRevolutionではゲーム機の性能は重要でなく新しい遊び方が重要なんだと盛んに言っている。この言い方を逆にとれば、任天堂はそういう新しい要素以外のことに特に興味は無い、ということもできる。DSのことを考えてみると新しい遊び方の要素はおそらくは入出力インタフェースに関することと考えるのが妥当だろう。その部分のモジュールは任天堂が作りこむとして、それ以外の部分はマイクロソフトと共同開発したとしても不思議ではない。そういう分業は他の産業分野ではよく行われるし、任天堂のおかれた現在の状況を冷静に考えれば、テクノロジー面で力のある他社とのより包括的な提携はむしろ自然な流れではないかと思う。任天堂GCの時だってATIの力を借りているし、N64では SGI の力を借りていた。


任天堂のおかれた状況というのは以下のとおり。まず次世代機でソニーと真っ向勝負して勝てる可能性はそれほど高く無いこと。まして力をつけつつあるXbox Nextとの三つ巴ともなれば現在の二番手という地位さえも危ういこと。携帯ゲーム機では以前トップとはいえ据え置き機で(N64から数えて)3連敗という結果になってはやはり影響力の低下は免れないこと。これを考えればせめて何らかの保険は打っておくのが経営としては当たり前ではないだろうか。


そういう目で見ると、いろいろと符合する情報はある。まず、Revolutionの開発が始まったであろう時期にマイクロソフト任天堂を買収するという噂が流れていたこと。また、Xenon も Revolution も IBM の Power 系 CPU と ATIGPU を使うこと。眼鏡にさらに色を加えると、任天堂が Revolutionに関してあまりにも中途半端な情報(無線LAN内臓とかGC互換とか)しか開示していないこと、あのマイクロソフトx86を(と同時に後方互換性を)敢えて捨ててIBMのCPUに乗り換えたことも傍証に思えてくる。もちろん、同じレドモンドという地理的な近接性も妄想の種の一つだ。


どのみち5月のE3では真相が明らかになるだろうし、すでに直前の時期であればリーク情報のひとつくらい落ちていそうなものなので、こんな妄想は愚者のたわごとに間違いない、とこのエントリに無用な保険を打ったところで、ここにログを残しておく。